神経ブロック注射とは
神経を遮断することにより、周りの組織を弛緩させて痛みを取る麻酔注射です。
胸郭出口症候群では斜角筋ブロック・星状神経節ブロック・腕神経叢ブロック等という注射用語が用いられます。
注射のアプローチ
ブロック注射でアプローチする神経は主に以下の3つである。
- 自律神経
- 知覚神経
- 運動神経
自律神経が1番細く、順に運動神経が1番太い。ブロック注射治療では、まず自律神経に麻酔をかける。
神経が細いほど、薬剤が低濃度で効果が出る。
自律神経への注射
まず胸郭出口症候群や腰痛で痛みが出ると、その部分の組織は常に緊張状態に晒されます。
その為、自律神経の交感神経が優位になり、さらなる緊張を引き起こします。
自律神経を遮断するとこの緊張が無くなり、痛みが和らぎます。
知覚神経・運動神経への注射
知覚神経は痛みを感じる神経そのものを遮断、運動神経では筋肉の弛緩が目的で行われる。
ブロック注射を打つとどうなるか
注射によって神経がブロックされると、周りの組織の緊張が解かれて血流が促され、痛みを発する物質が洗い流されます。栄養や酸素も行き渡り、周辺組織が1度リセットされます。
効果は様々であり、1週間で痛みが徐々に消える人もいれば、すぐに痛みは消えるが数日後に痛みが再発する場合もある。
胸郭出口症候群の場合は胸郭出口での神経圧迫・牽引の状態による為、「必ず痛みは消える」とは保障出来ない。
胸郭出口症候群は胸郭出口を拡大する体のつくりに戻らないかぎり、根本となる原因は解決されていない為、ブロック注射を打ってもそれは一時的なものであり、痛みなどの症状は再発する。
注射を行う前は医師による問診、レントゲン撮影結果、症状を踏まえて、どの神経にアプローチするかを決定する。
神経ブロックでは神経内部にまで針を刺すことは少なく、神経膜に触れる程度であるが、成功率は注射のスキルにも依存する。
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