胸郭出口症候群で整形外科を受診した場合

肩や腕の痺れ・痛み・腕の筋力低下等で整形外科を受診した場合の例

「肩周りが痛くて、さらに指先に感じたことの無いしびれが・・・。さらに腕もだる重い・・・。」

 

こんな症状を感じて頼りになるのは、お医者さん、整形外科医です。

 

しかし、胸郭出口症候群や頚肩腕症候群に対する診療の現状は、私たちが期待しているものとは違います。

 

 

胸郭出口症候群診療の現状

 

整形外科診療において、首・肩・上肢の痛みやしびれを扱う機会は多いが、
その病因・病態は一様ではない為、明らかな病因が確定できないケースが多い。

 

そのため有効な治療が行われず、長期間にわたって効果の無い画一的な治療が
漫然と続けられて、慢性疼痛症候群の一つとして問題となっています。

 

これらの慢性疼痛症候群は病態がはっきりしないまま、頸肩腕症候群という名のブラックボックスの中に置かれてしまっています。

 

頸肩腕症候群とは、頸〜肩〜上肢〜手指に痛み・しびれ・コリを来たす疾患群に
つけられた総括的名称だが、症状が多彩なうえに外見からの判断がほぼ不可能である。

 

解明技術が進み、病態と病因がかなり判別されるようになってきてはいるが、
胸郭出口症候群の多くは頸肩腕症候群などの範疇に投げ込まれてしまい、
適切な診療・治療が行われていないのが現状である。

 

追加情報:整形外科医は胸郭出口症候群をどうみているか

 

 

また肩周りや腕の痛み・しびれ・腕がだる重い等の症状が出て整形外科を受診すると、最初から胸郭出口症候群の診断が付かないケースがあります。

 

代表的な例を次に挙げておきます。

 

頚椎ヘルニア・頚椎椎間板ヘルニア

最初に私が整形外科を受診して付いた診断がこれに当たります。
首のレントゲン撮影をして、ヘルニアの疑いが強まればその後頚椎のMRIを撮影します。

 

私の場合はMRI撮影も行いましたがヘルニアは認められませんでした。
しかしその医師からは『MRIでも写らないヘルニアがあるのでしょう』ということでした。

 

実際は違ってましたが、本当にそういうケースも無いとは言い切れません。
しかし、MRIで写ってないのが明らかであれば、医師に「ヘルニアです」と言われても他の病気を疑って調べた方が良いと思います。

 

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頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)

2軒目に受診した整形外科にて私のカルテにはこの『頸肩腕症候群』とも記載されていました。

 

頸肩腕症候群とは原因不明の首(頸部)から肩・腕・背部などにかけての痛み・異常感覚(しびれ感など)症状を持つものを全てひっくるめて使う用語です。

 

頸肩腕症候群は、整形外科の病気であるのにも関わらず、心療内科へ紹介されるケースが非常に多いようです。
この病気を理解している、経験豊富な医師がいない診療所では、この病気の診察は難しいようです。

 

受診した整形外科によってはとりあえずこの病名診断をして、保存療法か対症療法をして様子を見るケースがあります。
しかし、治療改善効果がほとんどないのが現実です。

 

 

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

小指と薬指の感覚と、指を伸ばしたり閉じたり開いたりする手指の筋肉を支配している尺骨神経が、肘の内側の肘部管で、圧迫や引き延ばしを受けて発生する神経麻痺です。

 

麻痺の進行により症状が異なります。初期は小指と薬指の小指側にしびれ感が生じます。
麻痺が進行するにつれて手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指がまっすぐに伸びない鉤爪(かぎづめ)変型(あるいは鷲手変形)が起こります。
筋力が低下すると、指を開いたり閉じたりする運動ができなくなります。握力も低下します。

 

肘部管症候群は肩や首に症状はまず出ません。胸郭出口症候群とは区別しやすいものです。

 

 

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

手首の手のひら側にある骨と靭帯(じんたい)に囲まれた手根管というトンネルのなかを、正中神経と9本の指を曲げる筋肉の腱が通っています。
このトンネルのなかで神経が慢性的な圧迫を受けて、しびれや痛み、運動障害を起こす病気です。

 

手の過度の使用、妊娠によるむくみ、骨折や腫瘤(しゅりゅう)によるトンネルの圧迫、血液透析(とうせき)によるアミロイドという物質の沈着などが原因になります。
中年以降の女性に多く起こります。

 

初めは人差し指・中指を中心に親指と薬指の親指側に、しびれと痛みが起こります。
これらの症状は朝、目を覚ました時に強く、ひどい時は夜間睡眠中に痛みやしびれで目が覚めます。

 

この時に手を振ったり、指の運動をすると楽になります。

 

進行すると親指の付け根の母指球筋(ぼしきゅうきん)という筋肉がやせてきて、細かい作業が困難になります。
とくに親指を他の指と向かい合う位置にもっていく対立運動ができなくなります。

 

手根管症候群も肩や首に症状はまず出ませんので、胸郭出口症候群とは区別しやすいものです。

 

 

 

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