胸郭出口症候群の治療ブログ

整形外科医は胸郭出口症候群をどうみているか

こんにちは。
梅雨明けして夏も真っ盛りですね。

 

私は来る8月1日〜4日に行われる盛岡市さんさ踊りに向けてガッチリ練習しております。
今年初参加なので、しっかり練習して、観客を魅了して祭りを盛り上げていきたいと思っています。

 

 

先日、ある総合病院の整形外科科長・リハビリテーション科長さんと飲んで来ました。

 

音楽の話題が中心だったんですが、胸郭出口症候群の事もいろいろ聞いてきましたのでその医師(以後A医師と記載)から聞いた事を書きます。
A医師承諾のうえで掲載させて頂いております。A先生、貴重な情報ありがとうございました。

 

 

お題
整形外科医は胸郭出口症候群をどうみているか

 

 

質問@ 
私のホームページに寄せられる情報だと、胸郭出口症候群の診断を受けた患者さんは特に具体的な改善方法を指導されていない方が多くいらっしゃいます。
多くの整形外科医は、胸郭出口症候群をどう考えているんですか?

 

A医師の回答@

 

胸郭出口症候群はあくまで「 症候群 」。整形外科分野では、病気だと考えてない事が多いよ。

 

だから胸郭出口症候群を患っているほとんどの方には、「姿勢等の生活改善をするように」や、「筋肉を付けるように」としか言わないです。

 

整形外科分野で診る疾患は沢山あって、胸郭出口症候群というのはその中の一つ。
死に至るような病気じゃないから、他のもっと重い病気の患者さんとの優先順位を考えると、胸郭出口症候群には大きく時間と力を割けないのが実情です。

 

 

質問A
じゃぁ、先生は具体的にはどのような治療法をしてるんでしょうか?

 

A医師の回答A

 

@の回答のような実情だから、どうしても苦しい患者さんには神経ブロック注射、痛み止め、湿布等の対症療法、保存療法をすることが多いです。
その他のリハビリ指導をするのは理学療法士さんの仕事。だから場合によって理学療法士さんの指導力にかかっているケースも多いよ。

 

また、症候群は原因の詳細がすぐに分からない事が多いから、ピンポイントな治療が難しいのです。
しかし原因が分かっても、本人でどうにかするしかないケースが多いです。

 

 

 

質問B
胸郭出口拡大体操は全国的に知られてるものですか?

 

A医師の回答B

 

胸郭出口拡大体操は岩手県北上済生会病院の阿部先生が考案した体操だからね。
岩手県の整形外科医はほとんど知っています。看護師も知っているくらい。
ウチの病院でも胸郭出口症候群患者には理学療法士さんが体操指導してます。

 

でも、この体操は他県ではあまり知られていないです。
胸郭出口症候群自体患者さんは多くないし、あまりメジャーな体操じゃないから浸透していないのだろうね。

 

 

質問C
胸郭出口症候群の手術はどのくらい行われているんですか?

 

A医師の回答C

 

すっごい少ないよ。両腕がものすごくやせ細ってしまったとか、よっぽど酷くない限りしない。
それに、他の神経を傷付けるリスクもあるので、年に1〜2件しかやってないです。

 

 

ほか、A医師から掲載して欲しいと依頼されたメッセージ

 

胸郭出口症候群を患っている人が増えています。
科をあげて胸郭出口症候群に取り組んでいるような病院でない限り、残念ながら具体的な根本治療方法を知っている整形外科医は実はとても少ないです。

 

胸郭出口症候群を患うかどうかは、普段のライフスタイルと骨格がキーポイントですが、骨格は生まれもってのもので、変えられないと思っている方がほとんど。

 

でも、実は骨格はある程度なら自分で変えることが出来ます。

 

それは常日頃から良い姿勢を意識したり、運動したりすることを長く続けてこそ少しずつ変わるものです。

 

骨格は変えることが出来る!ということをとにかく知って欲しい。

 

 

 

 

 

 

今回の意見に関しては、日本にいる整形外科医専門医17,689人中の1人の意見です。

 

もちろん、この中には胸郭出口症候群の改善・治療をしっかり行っている医師もいると思います。

 

でも、このホームページに届くご意見や、私が経験したように、そうではないケースもあるというのが現実です。

 

 

「 立ち直るのは自分次第である 」

〜ジャッキー・チェンの言葉より〜

 

平成24年7月19日



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