胸郭出口症候群改善方法:姿勢について

胸郭出口症候群は姿勢が大きく関係しています。 

胸郭出口症候群の原因の一つとして姿勢の悪さが挙げられます。不良姿勢が胸郭出口症候群の原因の大半となっているといっても良いかもしれません。
例をいくつか挙げます。

 

猫背になっている。

胸郭出口を狭くしてしまう姿勢です。猫背の原因は姿勢への意識の問題もあるのですが腰周りの筋力の無さも大きな原因の一つです。
よって、とにかく意識をして猫背じゃない姿勢を身に付ける事と、足腰の筋力トレーニングを行うと大幅に治療改善が可能です。
右メニューの「胸郭出口症候群の改善方法→足腰も鍛えると効果アップ」をご参考下さい。

 

 

パソコンに向かう時の姿勢。

よく見られるケースは画面をジーっと見る為、顔、アゴが前に突き出している状態になっている。

 

 

うつ伏せになったまま本を読むことが多い。

肩周辺に緊張をかけやすい。この姿勢で頭が前に突き出した格好になってしまうこともあります。

 

背筋と胸の張りすぎ。

現代では姿勢を良く!というと背筋と胸をピーンと張るイメージが多いと思われますが、これは胸郭出口を狭くする姿勢になっていることもあります。
「良い姿勢」でネット検索するとたくさん例が出てきますので参考にされると良いでしょう。

 

 

これらのように姿勢の悪さはいろいろあります。

 

仕事等でパソコン作業をする事が多い方は、椅子と机の高さやキーボード、マウスの位置を検討しなおしてみてください。私の場合はキーボードは体に近い場所に置いたり、椅子と机の高さ関係も自分なりにいろいろ調節して最適の高さに調節してあります。

 

この他、スマホや携帯電話の普及で頭を下に下げたまま携帯電話やスマートフォンを操作する場面を見かけることが多くなりましたが、これも良い姿勢とはいえません。

 

頭を下に下げる姿勢は、5kgはある頭を首と肩周辺の筋肉で支えているため、長時間この姿勢を続けると筋緊張がおこりやすく胸郭出口症候群の症状が出やすいケースがあります。
操作することが多い方は適度に肩周辺のストレッチ・柔軟体操をしたり首のストレッチ・柔軟体操を行うと筋緊張を軽減させることができます。 

 

 

 

良い姿勢を心がけるあまり挫折してしまう例

 

 

子供の頃から「胸張って!!背筋伸ばして!!」と世間一般で言われる事から良い姿勢といわれるとそのことを意識してしまいがちです。でもそれは間違いだと思います。
なぜならその姿勢を意識するあまり体に無理でおかしな力と緊張を強いられる事が多く、結果として反り腰、出尻、アゴが上に向いた状態、首や肩に無理な緊張をかけてしまい、30〜40歳を過ぎたあたりから体の故障が始まるといったことになってしまいます。完全に結果が逆行してしまいますよね。

 

また、様々な書籍やメディアでおも取り上げられている「 耳と肩と腰とくるぶしが直線で繋がっているのが良い姿勢 」という図がよく見られますが、これだけにとらわれてしまうと同じく直線にしようとして無理な力と緊張をかけてしまいます。

 

直線で繋がっているのが良い姿勢というのは確かに正しい姿勢なのですが、こうなるのは最終的な結果論にすぎません

 

じゃぁ何を意識すれば無理なく良い姿勢が取れるようになるのか?が大事なのです。私は形だけを真似しようとしてみても良くなる可能性は極めて低いと思います。

 

 

じゃぁ良い姿勢って?

 

胸郭出口症候群は姿勢を良好にすることで治療改善の可能性がアップします。

 

胸郭出口症候群は長年の不良姿勢が原因で患うことが少なくないのです。よって、生活習慣病ともいってよいのではないかと私自身思います。

 

自分でも知らず知らずのうちに体のどこかに緊張をかけてしまっている事があります。余計な力と緊張を体にかけることが自分でも気付かない間に癖になってしまっています。その緊張が筋肉の張り、血行の滞り、神経の圧迫に繋がっていることが沢山あります。 

 

 

よって、胸郭出口症候群の治療改善には筋力トレーニング、ストレッチ・柔軟体操を行うのと同時に良好姿勢を身に付ける癖と、体の余計な力を抜く癖を身に付けていく必要があります。この「良い癖」は筋力トレーニングとストレッチ・柔軟体操を行う上でも必要不可欠なものです。

 

私が意識する良好姿勢ですが、

 

  1. まず頭が頚椎を上に導いているようにイメージして首を伸ばし、首の後ろの筋肉(僧帽筋上部)を脱力&リラックスさせるとアゴが自然に引けてきます(無理にアゴを引くのでありません)。そうすることで頭が体の上にバランスよく載る感覚になると思います。この載せるという感覚を意識する時は、頚椎の末端と頭の接続点を意識してみてください(わかりにくいかも)
  2. そして胴体を長く広くするイメージで胴を伸ばします。胴は「胸やお腹、腰がある」と思わずに「1つのまとまり」としてイメージします。
  3. 次に肩を左右に開放するイメージで脱力&リラックス。肩というのは肩甲骨周辺から意識します。左右の肩が完全に開放されていれば肩の高さは自然と良い位置に置かれるはずです。
  4. その次に骨盤から左右の足が開放されているイメージで脱力&リラックス、足のつま先まで脱力&リラックス。

 

以上の順序です。とにかく必要の無い力を抜いて、無駄な力みをしないことを常に意識して、これを癖つけるようにします。変な力みが入ってしまっていればそれは間違っていますので力みが無い姿勢を研究しましょう。また、自分の体で普段何の動作、何の姿勢、何の作業の時にどんな余計な力みと緊張をかけているかを良く分析して無駄な力を使う事をしない努力をしましょう。

 

椅子・机の高さや形状によってはどんなに頑張っても不良姿勢になる事もありますのでこれらには要注意です。胸郭出口症候群を患った場合はこれらにも注意していかなければなりません。手頃な椅子はバランスチェアが良いでしょう。右メニューのお勧めアイテムで紹介してありますので検討されて良い物と思います。

 

良好姿勢を長時間保つには腰周辺の筋肉が強いことも条件です。筋力トレーニングで体の軸を強くすることは必須となります。

 

結論、胸郭出口症候群の治療には姿勢への意識が一番大事です。

 

 

私の場合は背がまぁまぁ高いうえにかなりの猫背でしたが、意識と筋力トレーニングで良い姿勢を保つように努力しています(今も日々努力してます)。

 

また、頭を体の軸にまっすぐ載せる感覚を意識するようにしていると首と肩周辺への負担も少なくてすみます。胸郭出口症候群は首周辺筋肉の斜角筋が原因になっている場合もあるため、首をリラックスさせる姿勢と意識は大切だと思っています。

 

コツとしては、『 まず頭が頚椎を上に導いていることをイメージして伸ばすことから始める 』ということです。

 

 

これらの良好姿勢を作るのには『 アレクサンダー・テクニーク 』が大きな効果を発揮します。
右メニューの『参考になる書籍』で紹介してますので、関連書籍はぜひ読んで頂きたいです。また、レッスンも各地で行ってるようですので余裕のある方は受講されてみてはいかがでしょうか。

 

また、不良姿勢と良好姿勢の参考動画です。もご参考にされると良いでしょう。

 

 

 

余談

 

私が胸郭出口症候群を治療改善していくうえで、最初は筋力トレーニングとストレッチ・柔軟体操だけでなんとかなると考えていましたが、それだけでは難しいということがわかったのはごく最近のことです。

 

筋力トレーニングによりかなり治療改善していたのですが、あと一歩というところからなかなか治療改善が進みませんでした。体力的なものはもう問題無いと思うくらい自信はついていたのに、あと何が足りないのか?もしかしたら精神的なものではないだろうか?と考えるようになったのです。

 

その日から精神と肉体のつながりを考えるようになりました。結論としては、最初に患った右肩〜腕にかけての痛みとだるさを感じたショックで、パソコンを触ることへの恐怖、その他苦手になっていた動作への恐怖から右肩を強張らせてしまう癖が付いていることを発見しました。その悪い癖によってもう身体的には寛解してもよい状態なのに、以前受けたショックにより右肩を強張らせ、それが右肩周辺全体を圧迫して症状を出していたのです。でも、どうすれば力を抜いたままに出来るのかはすぐには分かりませんでした。

 

ある日友人から『 アレクサンダー・テクニーク 』というメソッドを知る機会があり、書籍を購入して実践してみたところ、私の求めていた答えがそれには書いてました。『 余計な緊張と力みを開放する 』事が主な目的のメソッドです。今でも常に意識して癖にするようにしてますが、未だに怖い動作はあります。しかし、『 余計な緊張と力みを開放する 』意識により、治療改善は大きく前進をしました。

 

私のバイオリンの師匠にも『 形よりもまずイメージを優先しなければいけないよ 』とよく言われます。姿勢に当てはめて言うと、形だけ真似しても余計に力んで緊張させてしまって、ますますぎこちなくなって・・・いつの間にか元に戻っているという経験はありませんか?私もいろいろ形だけ真似しようとして、モノにせずに挫折したことは何度もあります。でも、『 余計な緊張と力みを開放する 』アレクサンダーテクニークの意識優先のメソッドを行うと、形を真似するということはないのですが良い姿勢が自然と作られるのです。これは演奏のうえでもとても役に立っています。

 

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